融合研究

数学と生命科学との融合研究

Mapperを用いたiPS細胞から始原生殖細胞への分化経路の決定

ASHBi数学グループでは生命科学グループとの融合研究として、多階層・多スケールにわたる多生物種・多細胞種データ解析のための新規方法論を、トポロジカルデータ解析・力学系理論・機械学習などを用いて開発しています。さらにここで開発される理論や手法を応用することで、ヒト・非ヒト科霊長類・齧歯類における相同な細胞に種差が表出するメカニズム・相同な細胞の反応性に種差が表出するメカニズムを明らかにすることを目指しています。

ASHBi内で展開する融合研究は、数学グループ・生命科学グループ・単一細胞ゲノム情報解析コアの密接な連携のもとに推進しており、具体的には以下の2つの活動を行なっています。1)生命科学グループから数学グループに向けて、ゲノム科学や種差に関するレクチャーを行い、数学グループが生命科学の知識と最先端の問題意識を“実感覚” で理解出来る体制を築く、2)生命科学研究者が、数学グループのもと数理解析のトレーニングを受け、新しい解析法の開発と実際のデータ解析を行う体制を整備する。これにより上記目標を実現する共同研究を推進するとともに、最先端の数理解析技術をそなえた生命科学研究者や最新の生命科学解析技術を開発できる数理科学者の育成にも同時に取り組んでいます。

倫理哲学と生命科学との融合研究

倫理的判断を導く3つのステップ

近年、初期発生技術、オルガノイド技術、ゲノム編集技術が急速に進展し、新たな科学的知見の獲得、また医療への応用が期待されてます。しかしその一方で、人へ成長しうる胚(受精卵)を体外で長期間培養したり、幹細胞から胚(受精卵)に似た構造を作製・利用したりすることの是非、また幹細胞から脳に似た構造を作製し、それが意識を持つことの是非、さらに臨床応用(治療や治療以外)を目的とした生殖細胞系列に対するゲノム編集の是非などが盛んに論じられています。こうした科学研究がどの程度、倫理的に認められるのかを明らかにすることは、社会にとっても緊急性の高い課題です。

生命倫理・哲学グループ(藤田グループ)では、世界トップクラスの自然科学系研究機関内に設置されたグループとしての利点を活かし、最前線で科学研究を進める研究者と協働することで、先見的な生命倫理議論を国際的かつ学際的に進めています。具体的には、従来の倫理議論のメタ分析や倫理学的考察のような理論的研究、また質問紙調査のような実証的研究に取り組んでいます。こうした取組みを通して、研究や臨床応用を進めていく際の倫理的な枠組みを提示したり、新たな科学技術の倫理を創出したりすることを目指しています。