Kyoto University Institute for the
Advanced Study of Human Biology

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2023.8.8

総説:哺乳類における胎児卵母細胞発生のメカニズムと試験管内再構成

水田賢 医学研究科助教、斎藤通紀 ASHBi主任研究者が執筆した総説論文が、「Current Opinion in Genetics and Development」にオンラインで公開されました。哺乳類の生殖細胞のメカニズムとその試験管内再構成について最新の知見がまとめられていますので、ぜひご一読ください。

概要

哺乳類の雌性生殖細胞は、胎児期に第一減数分裂前期を進んだ卵母細胞へと分化し、前顆粒膜細胞を伴う原始卵胞を形成する。その後、思春期になるまで原始卵胞は休眠状態となる。これまでのマウスを用いた研究により、卵母細胞発生メカニズムに関する知見が蓄積され、またそれを基に、マウス多能性幹細胞から機能的な卵子を試験管内誘導することが可能となった。さらに、マウスにおける知見と、ヒトを含む霊長類における卵母細胞発生過程の形態学的解析・遺伝子発現解析を基に、ヒトを含む霊長類の卵母細胞様細胞の試験管内誘導に成功している。本総説では、哺乳類における胎児卵母細胞発生のメカニズムとその試験管内再構成に関する最近の進展について議論する。

論文情報

Ken Mizuta and Mitinori Saitou, “Key mechanisms and in vitro reconstitution of fetal oocyte development in mammals”(2023), Current Opinion in Genetics and Development, DOI: 10.1016/j.gde.2023.102091