研究者(平岡G)
自然現象、特に生物学的現象に現れる巨視的なパターン形成と、それらの現象の背後にある数理構造に興味があります。数理モデルやデータ科学を用いて、複雑な現象がどのような原理に支配されているか調べています。現象の背後の数理構造を理解することで、その現象を制御したり、その現象に関連する現実世界の諸問題に立ち向かえたりできたらうれしいです。現在取り組んでいるテーマとしては、最適輸送理論を用いたゲノム解析によるヒトやサルといった種に固有の性質の解明や、種を横断して共有されている性質の解明、各種の遺伝子制御ネットワーク解析や比較などがあります。膨大なデータの背後に潜む数理構造を発見し、ヒトや近縁の類人猿の遺伝子の機能やエピゲノムにどのような類似点や相違点があるか明らかにしたいです。応用数学の問題に取り組む過程で、基礎となる数学理論の適用範囲を広げられたり、新たな理論の展開に繋がったりすることがあると思うので、両方の分野を視野に入れて研究したいです。また、さまざまな分野の研究者と学際的な共同研究を積極的に行っていき、新しいことを学び専門性を広げていきたいです。
2019年ベルリン自由大学 数学情報科学研究科 博士後期課程修了。民間企業に3年半在籍し、日本とアメリカのオフィスで勤務した後、2023年にASHBiに加入。
Y. Tokuta, "Negative Phototaxis of Euglena Gracilis and Resulting Bioconvection Patterns under Stationary or Rapidly Periodic Illumination," REFUBIUM – Freie Universität Berlin Repository, 2020. https://doi.org/10.17169/refubium-28134
ゲーデル基礎科学賞(2014)
2023年5月1日