京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点
京都大学高等研究院
ヒト生物学高等研究拠点
Kyoto University
Institute for the Advanced Study of Human Biology
Kyoto University
Institute for
the Advanced Study
of Human Biology

多分野融合研究により、ヒトの設計とその破綻機構を解明

ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)は、文部科学省「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」の採択を受け、2018年10月に設立されました。
本拠点では、国内外から優れた13名の主任研究者 (principal investigators: PIs) を集め、我々ヒトに

付与された特性の獲得機構とその破綻による病態発症の原理を究明するため、新しいヒト⽣物学を創成します。
本拠点では、生物学と数理科学(機械学習やトポロジカルデータ解析)、生物学と人文社会科学

(生命倫理と生命に関する哲学)それぞれの分野横断的な融合研究を積極的に推進します。

また拠点の研究力を高めるため、単一細胞レベルでの多階層ゲノム情報解析と、先端的ゲノム編集霊長類作製が可能な2つの研究開発コアを設置します。

本拠点の特徴

  • 生物学と数理科学の融合(多種間多階層ゲノム情報解析)、及び、生物学と人文社会科学の融合(生命倫理·哲学)
  • 世界最先端の研究開発コアの設置:単一細胞ゲノム情報解析コアと霊長類ゲノム工学開発コア
  • 世界的ネットワークの構築:海外PIの重点的支援とEMBL、ケンブリッジ大学、カロリンスカ研究所等との連携
  • 京都大学医学部付属病院との緊密な連携
  • 若手PIの育成と研究支援、京都大学次世代研究者育成事業(白眉プロジェクト・K-CONNEX)との連携

研究内容

本拠点は、ヒト及びマカクザルを中⼼とする⾮ヒト科霊⻑類を主な研究対象とし、多分野(⽣命・数理・⼈⽂社会学)を融合した学際的な⽅法論を駆使することで、我々ヒトに付与された特性とその破綻による病態発症の原理を究明する新しいヒト⽣物学を実現します。

具体的な目標として、本拠点では、

  1. ヒト⽣物学における基幹領域ー⽣殖・発⽣・発達・⽼化と遺伝・進化ーに関する厳選された個々の研究テーマにおいて傑出した成果を輩出します
  2. ヒト・⾮ヒト科霊⻑類・齧⻭類の “相同” 発⽣・分化成熟座標に出現する “相同” 細胞群の多階層ゲノム情報を新しい⽅法論を⽤いて解析し多様なゲノムが⽣成する種差表出原理を解明、モデル⽣物から得られた知⾒のヒトへの適切な外挿を可能とするとともに、より普遍的な種の多様性⽣成機構を解明します
  3. カニクイザルを⽤いた最先端のゲノム編集技術を開発し、霊⻑類固有の遺伝⼦機能の解析・難病モデルの作出(特に神経系と腎の疾患を標的とする)を推進します
  4. 鍵となるヒト細胞系譜や組織の再構成系の樹⽴と厳密な検証を⾏います
  5. ヒト及び⾮ヒト科霊⻑類サンプルの適切な使⽤に関する倫理、創出される研究成果の意義と価値に関する哲学を創⽣、社会に発信します

拠点長メッセージ

ヒトの成り立ちの解明は、生命科学における根源的な課題です。これまでの生命科学は、生命現象の素過程が保存されていることを示してきました。

一方で、それぞれの生物種ごとに明確な種差があることも明らかで、モデル生物から得られた知見のヒトへの応用は容易ではありません。例えば、ヒトは、発生·発達に長い時間を費やし、特有の代謝機構を獲得し、またその脳機能を著しく発達させました。

ASHBi では、ヒトや霊長類を用いた体系的な研究を推進すると同時に、進化が付与した多様性 = 種差 の表出原理を解明する、先進的なヒト生物学を創成します。
そして、オープンで柔軟性に富む国際的研究環境で、若手が伸び伸びと研究できる場を提供します。

斎藤 通紀
教授

専門領域

発生生物学/医学博士

研究歴
1995 年 3 月
京都大学医学部卒業
1996 年 4 月
日本学術振興会 特別研究員 DC1
1999 年 3 月
京都大学大学院医学研究科修了 博士(医学)
1999 年 4 月
日本学術振興会 特別研究員 PD
2000 年 1 月
Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon
Institute Travelling Research Fellow
2003 年 1 月
Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon
Institute Senior Research Associate
2003 年 4 月
理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター
チームリーダー
2009 年 4 月
京都大学大学院医学研究科 生体構造医学講座
機能微細形態学 教授(現職・兼任)
2011 年 8 月〜2018 年 3 月
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
ERATO研究総括
2018年
京都大学高等研究院 教授
京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点長

学歴

1989-1995 京都大学医学部

1995-1999 京都大学大学院医学研究科博士課程

最近の主な業績

Yamashiro, C., Sasaki, K., Yabuta, Y., Kojima, Y., Nakamura, T., Okamoto, I., Yokobayashi, S., Murase, Y., Ishikura, Y., Shirane, K., Sasaki, H., Yamamoto, T., and Saitou, M. (2018). Generation of human oogonia from induced pluripotent stem cells in vitro, Science, 362, 356-360.

Kojima, Y., Sasaki, K., Yokobayashi, S., Sakai, Y., Nakamura, T., Yabuta, Y., Nakaki, F., Nagaoka, S., Woltjen, K., Hotta, A., Yamamoto, T., and Saitou, M. (2017). Evolutionarily Distinctive Transcriptional and Signaling Programs Drive Human Germ Cell Lineage Specification from Pluripotent Stem Cells, Cell Stem Cell, 21, 517-532.

Miyauchi, H., Ohta, H., Nagaoka, S., Nakaki, F., Sasaki, K., Hayashi, K., Yabuta, Y., Nakamura, T., Yamamoto, T., and Saitou, M. (2017). Bone morphogenetic protein and retinoic acid synergistically specify female germ cell fate in mice, The EMBO Journal, 36, 3100-3119.

Hirota, T., Ohta, H., Powell, B. E., Mahadevaiah, S., K., Ojarikre, O. A., *Saitou, M., and *Turner, J. M. A. (2017). Fertile offspring from sterile sex chromosome trisomic mice, Science, 357, 932-935. * Co-correspondence

Nakamura, T., Okamoto, I., Sasaki, K., Yabuta, Y., Iwatani, C., Tsuchiya, H., Seita, Y., Nakamura, S., Yamamoto, T., and Saitou, M. (2016). A developmental coordinate of pluripotency among mice, monkeys, and humans, Nature, 537, 57-62.

主要メンバー

  • 伊佐 正

    ASHBi 副拠点長

    所属

    京都大学大学院医学研究科・医学専攻神経生物学分野・教授

    専門領域

    神経科学

    研究概要

  • 平岡 裕章

    ASHBi 副拠点長

    所属

    京都大学高等研究院 高等研究センター・教授

    専門領域

    応用数学

    研究概要

  • 山本 拓也

    ASHBi コア長

    所属

    京都大学iPS細胞研究所・未来生命科学開拓部門・准教授

    専門領域

    分子生物学、バイオインフォマティクス

    研究概要

  • Anne Ferguson-Smith

    シニアアカデミックメンター

    所属

    Arthur Balfour Professor of Genetics and Head of theDepartment of Genetics,University of Cambridge

    専門領域

    Epigenetic Inheritance, Mammalian Developmental Genetics

  • Guillaume Bourque

    所属

    Associate Professor, HumanGenetics, McGill University

    専門領域

    Bioinformatics, Genomics, Epigenomics

    研究概要

  • 小川 誠司

    所属

    京都大学大学院医学研究科・腫瘍生物学分野・教授

    専門領域

    分子腫瘍学

    研究概要

  • Hideki Ueno

    所属

    Professor, Department of Microbiology Global Health and Emerging Pathogens Institute Icahn School of Medicine at Mount Sinai

    専門領域

    Human Immunology

    研究概要

  • Takashi Hiiragi

    所属

    Group Leader, Developmental Biology Unit, European Molecular Biology Laboratory

    専門領域

    Developmental Biology

    研究概要

  • 永樂 元次

    所属

    京都大学ウイルス・再生医科学研究所・教授

    専門領域

    発生生物学

    研究概要

  • 柳田 素子

    所属

    京都大学大学院医学研究科・腎臓内科学・教授

    専門領域

    腎臓内科学

    研究概要

  • 藤田 みさお

    所属

    京都大学iPS細胞研究所・上廣倫理研究部門・特定教授

    専門領域

    公衆衛生学、社会健康学

    研究概要

  • 依馬 正次

    所属

    滋賀医科大学動物生命科学研究センター、幹細胞・ヒト疾患モデル研究分野・教授

    専門領域

    発生工学

    研究概要

  • 小川 正

    ASHBi 事務部門長

    所属

    京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点・特定教授

    専門領域

    認知神経科学・神経生理学

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採用情報

京都大学が申請したヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)の設立構想が文部科学省WPI拠点として採択されたことを受けて、平成30年10月30日付で京都大学高等研究院にヒト生物学高等研究拠点が設置されました。
ヒト生物学高等研究拠点では、研究者、研究支援者採用のための以下のような公募を行います。

特定准教授 平岡グループ 特定助教 藤田グループ 特定助教 特定職員 コアラボ研究スタッフ

アクセス

住所
〒606-8501
京都市左京区吉田近衛町
京都大学医学部構内 医学部B棟
京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点

交通案内
市バス 31 / 65 / 201 / 206系統 「近衛通」下車
京阪 「神宮丸太町駅」5番出口徒歩10分

詳細

http://www.med.kyoto-u.ac.jp/access/access/