機械学習による視床下部-下垂体オルガノイド分化効率予測モデルの構築
ヒトiPS細胞からさまざまな標的細胞のオルガノイドを分化誘導する手法が開発され、再生治療、病態研究、創薬などへの応用が進んでいます。しかしながら、十分な機能を備えた細胞を得るまでには、2~3ヶ月に及ぶ長期間の培養が必要であったり、分化効率にはばらつきが生じやすかったりと、その安定性が課題となってきました。
松本 隆作 特定拠点助教(CiRA未来生命科学開拓部門)、山本 拓也 教授(CiRA未来生命科学開拓部門/京都大学ASHBi)らの研究グループは、ヒトiPS細胞から視床下部-下垂体オルガノイド注1)を分化誘導する実験系において、培養初期に取得した位相差画像のみから、1ヶ月後の分化効率を予測可能な機械学習注2)モデルを構築しました。この研究成果は2025年8月4日「Cell Reports Methods」で公開されました。
詳しくはこちらをご覧ください。
用語説明
注1)視床下部-下垂体オルガノイド:iPS細胞から誘導され、実際に下垂体ホルモンを分泌する機能的な下垂体ホルモン産生細胞を含む。
注2)機械学習:コンピューターに大量のデータを学習させることで、パターンやルールを抽出させ、予測や分類を行う技術
書誌情報
Matsumoto, R., Suga, H., Takahashi, Y., Aoi, T., & Yamamoto, T. (2025). Prediction of the hypothalamus-pituitary organoid formation using machine learning. Cell Reports Methods. https://doi.org/10.1016/j.crmeth.2025.101119