Article: Coupling of cell shape, matrix and tissue dynamics ensures embryonic patterning robustness
発生中の胚における組織の形成は、細胞のダイナミクスと運命決定に依存しています。細胞の運命は、遺伝子調節ネットワークやシグナル伝達経路によって決定される一方で、組織の構造形成は細胞の動きの影響を受けます。発生が進むにつれて、当初は均一だった細胞群が不均一な集団へと分化し、再配置や選別を通じて組織パターンを確立し、複雑な器官を形成します。しかしながら、個体差の大きい胚のサイズや形状の変化に対して、組織パターン創出のメカニズムがどのように適応するのか、依然として不明なままでした。
京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)/同大学大学院医学研究科 柊 卓志 主任研究者/教授、市川 尚文 助教、築山 智之PRiMEコア長らの研究グループは、着床前の胚を用いて細胞のダイナミクス、位置、極性、および運命決定を体系的に解析し、胚盤胞から将来胎児となるエピブラストと、胎盤などの組織を作る原始内胚葉の内外パターンを制御するメカニズムを明らかとしました。
本研究成果は、2025年2月18日に「Nature Cell Biology」誌でオンライン公開されました。